ファイナンシャルプランナーになるには|おすすめのステップや必要な資格について
ファイナンシャルプランナーは、お金のスペシャリストとして、クライアントひとりひとりに合った財務計画を立てたりアドバイスをする仕事です。
例えば、アメリカではファイナンシャル・プランナーは公認会計士や弁護士と同様の高い社会的地位が認められていますが、国内ではあまり知られていない職業でした。
しかし近年、政府方針でのNISAの拡充など、資産運用への注目が集まる中、資産運用をプロ(ファイナンシャル・プランナー)に頼むという考え方が広がり始めています。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事内容や必要な能力、FPを目指すためのステップについてお話しします。

ファイナンシャルプランナーとは
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、個人や企業の財務計画を専門に扱うアドバイザーです。
お金に関する幅広い知見を持っており、主に以下のような役割を担います。
財務計画の立案
クライアントの収入、支出、資産、負債などを分析し、将来の目標に合わせた財務計画を策定します。
これには、貯蓄や投資の計画、退職後の資金計画、教育資金の準備などが含まれます。
投資アドバイス
クライアントのリスク許容度や投資目標に基づいて、適切な投資商品や戦略を提案します。
株式、債券、投資信託、不動産などが対象です。
保険の提案
生活や資産を守るために必要な保険の種類や額をアドバイスします。
これには、生命保険、健康保険、傷害保険などが含まれます。
税務アドバイス
税金の最適化を図るためのアドバイスを行います。
合法的に税負担を軽減するための方法を提案することもあります。
相続・贈与対策
資産を効率よく相続するための計画や贈与の方法についてアドバイスします。
相続税や贈与税の対策も含まれます。
ファイナンシャルプランナーは、金融商品や保険会社、銀行などに所属している場合もあれば、独立して個人や企業にサービスを提供している場合もあります。
どちらの場合も、クライアントの財務状況や目標に応じて、最適なアドバイスを提供し、計画の実行をサポートするのが役割です。
ファイナンシャルプランナーの仕事内容
仕事の特徴
ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事には、いくつかの特徴があります。
お金に関する幅広い知見
FPはクライアント一人ひとりの状況に合わせてカスタマイズしたアドバイスを提供する仕事です。
クライアントの収入、支出、資産、負債、ライフスタイル、目標などを詳細に把握し、それに基づいた計画を立てます。
特に財務計画には、多岐にわたる要素が含まれます。
貯蓄、投資、保険、税務、相続などさまざまな分野を統合して総合的なプランを提供します。
長期的な視点
FPは短期的な利益だけでなく長期的な財務の安定や目標達成を目指します。
クライアントの将来にわたる計画を立てるため、長期的な視点も重要です。
リスクマネジメント
クライアントのリスク許容度を考慮し、リスクを最小化するための戦略を提案する必要もあります。
適切な保険の選定や分散投資などがこれに当たります。
教育、サポート
ときにFPはクライアントに対して、金融知識や投資戦略について教育し、理解を深めてもらうよう努める必要もあります。
クライアントが自分で意思決定できるようサポートするのもFPの大切な役割です。
コンプライアンス
FPは金融商品やサービスに関連する法規制を遵守し、倫理的に行動する必要があります。
クライアントの利益を最優先に考え、透明性のあるアドバイスを提供します。
これらの特徴から、ファイナンシャルプランナーは単なる金融商品の販売員ではなく、クライアントの人生全般にわたる財務のアドバイザーとして、多角的なサポートを行う役割を担っている職業だと言うことができます。
ファイナンシャルプランナーに向いている人・必要なスキル
FPは、資格を持っているだけではクライアントの力になることはできません。
多くは実務経験の中で培っていくことになるスキルになりますが、FPに必要な性質、スキルを挙げてみます。
コミュニケーション能力(カウンセリング能力)
FPはクライアントと密に連絡を取り、財務計画や金融商品についてわかりやすく説明する必要があります。
対話を通じてクライアントのニーズや悩みを理解し、適切に対応できるコミュニケーション能力、カウンセリング能力が求められます。
分析能力
クライアントの財務状況を詳細に分析し、最適なプランを提案するのがFPの仕事です。
データや情報を正確に理解し、問題を解決するための戦略を立てる分析能力も必要です。
最新情報やトレンドへのアンテナ
FPが主に関わる金融市場や税制、法律などは常に変化しています。
最新の情報やトレンドに対応するため、継続的に学習し、スキルをアップデートする必要があります。
問題解決能力
クライアントの複雑な財務状況や悩みに対して、クリエイティブで実行可能な解決策を見つける能力も必要です。
柔軟な思考と計画立案のスキルが役立ちます。
ストレス管理
財務に関する問題やクライアントのプレッシャーなど、ストレスがかかることも考えられます。
冷静に対処し、ストレスを管理する能力が求められます。
クライアントの成功に喜びを感じられる人
クライアントのニーズや目標に対して真摯に向き合い、最良のサービスを提供しようとする姿勢が大切ですので、クライアントの成功をサポートすることに喜びを感じる人が向いています。
これらのスキルや特性を持っていると、ファイナンシャルプランナーとしての仕事において成功しやすいでしょう。
より上級の資格の取得を目指しながら、こういった部分を磨いていくことが大切です。

ファイナンシャルプランナーになるステップ
資格を取る
日本では、資格を取得していなくてもファイナンシャルプランナーを名乗ることはできますが、クライアントからの信頼を得るためには、専門的な知識とスキルを証明する資格を取得することがお勧めです。
国家資格の「FP技能士」や「AFP」「CFP」は名称独占資格であり、各試験に合格した人しかその名前を用いることができません。
また、これらはある程度の難易度のある試験ですので、合格することで一定の知識が備わっていることの証明となり、実務においても信頼を得ることに繋がるでしょう。
就職して実務経験を積む
ファイナンシャルプランナーの資格は、上述の通りある程度の難易度がある試験です。
とんとん拍子で上級資格の獲得ができれば言うことは無いですが、そう上手くはいかない現実もあります。
また、CFPについては3年以上の通算実務経験が必要であり、1級FP技能士については、受験資格として1年以上の実務経験が必要となってきます(2級FP技能士を取得していない場合は5年以上の実務経験が必要)。
証券会社や銀行などの金融機関、不動産、FP事務所、保険会社や保険代理店などに就職し、実務経験を積む中で、より上級の資格取得を目指すのがお勧めです。

ファイナンシャルプランナーに必要な資格・知識
資格の種類
3級FP技能士(国家資格)
3級から1級まであるFP技能士資格の中で最も基礎的なレベルで、ファイナンシャルプランナーの入り口として非常に良い資格です。
基礎知識をしっかりと身につけることで、将来的により高度なプランニングに挑戦するための土台を築くことができるため、入門編として最初に取得しておきたい資格になります。
実質、受験資格はなく、FP業務に従事しようとしている人であれば誰でも受検することが可能です。
また、この3級FP技能士の資格を取得することで、2級FP技能士の受験資格が得られます。
2級FP技能士(国家資格)
FPに関する資格の中で中級にあたるもので、個人や家庭の財務計画や資産管理に関するより深い知識と実務能力を証明する資格です。
取得すれば実務レベルの知識を有していることが証明されます。
受験資格については、上述の通り、3級FP技能士の資格を取得することで得ることができますが、3級を取得していなくても、実務経験が2年以上あるか、AFP認定研修を修了することでも受験資格を得ることができます。
1級FP技能士(国家資格)
ファイナンシャル・プランナー(FP)に関する資格の中で上級にあたるものです。
学科の合格率が10%前後の難関資格であり、合格には豊富な知識と実務力が必要です。
この資格を取得していることは高度な知識と一定以上の業務能力の証明になりますので、FP業務を行う上で大きな信頼と評価に繋がります。
ファイナンシャルプランナーとして、独立する場合には取得しておきたい資格です。
また、受験資格のハードルが高いことも、この資格の特徴です。
1級の試験を受けるためには、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。
<1級FP技能士試験 受験資格>
1)FP2級技能検定合格者であり、かつFP業務に関して1年以上の実務経験を有する者
2)FP業務に関して5年以上の実務経験を有する者
3)厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)認定者(民間資格 ※日本FP協会認定)
2級FP技能士に合格しており、かつAFP認定研修を修了することで認定される資格です。
CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)認定者(民間資格 ※日本FP協会認定)
世界25の国や地域で通用する国際資格です。
AFP認定者であり、かつCFP資格審査試験に合格、またCFPエントリー研修を修了していて、3年以上の実務経験があることが条件となります。
知識
FPには多くのスキルと幅広い知識が求められます。
主に以下のような項目が重要となります。
財務知識
基本的な会計・財務知識: 財務諸表の読み方や企業の財務状況の分析能力。
税金の知識: 所得税、法人税、相続税などの税制についての理解。
投資知識
金融商品理解: 株式、債券、投資信託、保険など、さまざまな金融商品の特性とリスクの理解。
ポートフォリオ管理: 投資ポートフォリオの構築とリスク管理。
保険知識
保険商品の理解: 生命保険、医療保険、損害保険などの種類とそれぞれの特性。
保険の適切な提案: 顧客のニーズに応じた保険商品を提案する能力。
年金・退職金の知識
年金制度の理解: 公的年金制度(国民年金、厚生年金)や企業年金の仕組み。
退職金計画: 退職金の運用や受け取り方法についての知識。
相続・贈与の知識
相続税と贈与税: 税制や相続の手続き、財産の分割方法についての理解。
遺言・信託: 遺言書や信託の設定、活用方法についての知識。
法律知識
金融関連法規: 金融商品取引法、消費者契約法など、FP業務に関連する法律の理解。
契約書の理解: 各種契約書の内容や条項についての理解。
これらの知識をバランスよく身につけることで、ファイナンシャルプランナーとしての効果的な支援が可能になります。

ファイナンシャルプランナーになるには
ファイナンシャルプランナーになるための学校
FPになるための知識を学べるのは、大学や短大、専門学校などとなります。
中でも、上述の通りFPの上級資格には年単位の実務経験が必要になりますので、短期間で学び、いち早く就職して実務経験を積むことのできる短大はお勧めです。
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- 簿記を始めとした会計の基礎を学ぶことができるため、幅広い知識が必要となるFPへの基礎固めができる!
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まとめ
ファイナンシャルプランナーは、個人や企業の財務計画を専門に扱うプロのアドバイザーです。
お金に関して広く知見があることを証明する上級資格の取得がクライアントの信頼に繋がります。
しかし、FP関連の上級資格の獲得には実務経験が条件になるという特徴があります。
クライアントに信頼され継続的に多くのクライアントを助けることのできるファイナンシャルプランナーになるには、資格を獲得した上で企業に就職し、実務経験を積む中でさらに上級の資格を取得することが必要となります。
埼玉女子短期大学では、短期間でファイナンシャルプランナーに必要な知識を幅広く得ることでキャリアの基礎を築くことができ、さらに資格取得とは別で必要になるマナー・ホスピタリティについても学ぶことができます。
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